日蓮大聖人様のお言葉

令和元年12月

十章鈔じっしょうしょう
  • 文永八年(1271)年
  • 聖寿 五十歳
  • 著作地 鎌倉

【解説】

このお手紙は、京都に遊学している弟子の三位房(さんみぼう)に宛てたものです。都の貴族たちに褒められて有頂天になっているのを戒められたお手紙として知られています。

「名は体を表す」と云います。人の名前自体はわずか数文字ですが、そこには本人のすべてが凝縮されています。産まれた子に付ける時は幸せな人生を生きて欲しいとの親の願いがこめられ、長じてはそれまで生きて行なってきたあらゆることが名前の上に現わされます。

自分は何のためにこの世に生まれてきたのか、今人生で何をすべきなのか、自分の名前にはそんな難しい人生の命題が潜んでいると言っても過言ではありません。

また、「コ」とは人々を幸せにする行いのことです。御題目の信仰に精進するならば、自分の生き方・言動は仏様に近付き周囲の人に安心と安らぎを与えることが出来ます。そして、自分の名前が、仏様の名前のように世の中に幸せをもたらす働きを現わすようになって来るのです。

(令和元年12月)