日蓮大聖人様のお言葉

平成29年8月

曽谷二郎入道殿御報そやじろうにゅうどうどのごほう
  • 弘安四(1281)年
  • 聖寿 六十歳
  • 著作地 身延山

【解説】

弟子の曽谷二郎入道に宛てられたお手紙です。人々に幸せをもたらし、世の中を平和にする正しい教え(正法)を否定する罪について述べられ、その罪を犯す者がはびこるほど世の中が乱れることを示されています。

「心」とは私たちの心のことです。どんなに穏やかな人でも、私たちの心には、むさぼり・愚痴・ねたみ・そねみ・自慢・さげすみ等々の暗い部分がひそんでおり、絶え間なく移り変わっています。一方で、他人を思いやり、誰かの役に立ちたいと願う心の働きも必ず兼ね備えています。それこそが、仏さまの心のあらわれであり、「仏心」とお示しです。

心の暗黒面は、折々の感情とともに無意識に発生してしまいますが、常日頃南無妙法蓮華経の御題目をお唱えすることで、自分で気付かぬ内に上手にコントロール出来るようになるはずです。自分の心が仏さまの大きな慈悲の心(仏心)に直接結びついていることを信じ、日々「仏心」を磨きながら人々と係わって、良い関係を築くことが大切です。

(平成29年8月)