日蓮大聖人様のお言葉

平成28年4月

崇峻天皇御書すしゅんてんのうごしょ
  • 建治三(1277)年
  • 聖寿 五十五歳
  • 著作地 身延山

【解説】

四条金吾頼基公へ宛てたお手紙の一節です。

「腹悪しき」とは短気のことです。短気は怒りの感情に通じ、不幸を招く最も大きな要因になります。

私たちの身の回りに起こる出来事は、自分に都合の好いことばかりではありません。むしろ、不都合や不本意なことの方が多いのではないでしょうか。

そして、そのような出来事をしっかりと受け止めることが出来ずに腹を立てたり、すねていじけてしまっては、何事も上手くはいかないものです。

感情というものは、突然湧いて来るものですから、無理に押さえつけることは出来ません。湧いて出た感情を上手く中和して、周囲の人々と調和していくことが出来るか否かが、幸不幸の分かれ道になるのです。

短気をいましめ、身に起こった出来事を、信仰によって感謝の心に成長させていくことが出来れば、諸天の御守護に浴して幸福への道が必ず開けて来るはずです。

穏やかな心は優しい行動となって表れて来ます。お祖師様は、内面の心の宝を積み、周囲の人を敬う生き方を心掛けなさいとお示し下さっているのです。

(平成28年4月)