日蓮大聖人様のお言葉

平成22年3月

法華経ほけきょう修行しゅぎょうもの
所住しょじゅうところ
浄土じょうどおもうべし

守護国家論
  • 正元元(1259)年
  • 聖寿 三十八歳
  • 著作地 鎌倉

【解説】

“法華経を修行する者、お題目の信仰に精進する者の住む所こそ、究極の幸せの世界・霊山浄土(りょうぜんじょうど)である。”と、日蓮大聖人様はお示しになっておられます。

私たちの日常は、楽しいことばかりではありません。むしろ苦しみや悩みにさいなまれていることの方が多いかも知れません。でも、今の人生を離れてどこか別の遠い所に幸せの浄土があっても、そんな架空の浄土は、私たちの現実の生活にとっては、絵に描いた餅でしかありません。

日蓮大聖人様は、現実の人生の上に幸せな瞬間があり、幸せな家庭や職場があり、温かい社会がある。それをしっかり見つめなさい。自分の住む世界こそが、幸福な浄土なんだなあと、自らの心に気付くことが大切なのだとお示しくださっています。それこそがお題目の信仰によってのみ得られる尊い悟りなのです。

南無妙法蓮華経を持ち、行ない、護り、弘める信仰は、苦しみから逃げる信仰ではありません。今自分に与えられた環境の中で、最大限に人生を輝かせ、幸せな世界を自分が作り上げていくのです。

人生は修行です。それはお題目の修行であり、必ず幸せに導いてくれる神秘不思議の修行なのです。

(平成22年3月)